オナホール職人、詐欺師の朝は早い。

「まぁ好きではじめた仕事ですから」

彼は脱サラしオナホールの仕事に就いた。
最近は良い型が取れないと口を零す。
先ず、素材の入念なチェックから始まる。
「やっぱり不安はありましたよ(笑)でもね、お客さんからのモチモチね、これに
凄く勇気づけられるね。この仕事やって良かったと思うよ。」
「毎日毎日温度と湿度が違う 機械では出来ない」
今日は納品日彼は商品をワゴンに詰め、秋葉原へと向かった
基本的な形は決まっているが、最近のユーザーの嗜好に合わせ
多種多様なものを作らなければいけないのが辛いところ、と彼は語る。
「やっぱ冬の仕事はキツイね、愚痴ってもしかたないんだけどさ(笑)
でも自分が選んだ道だからね。後悔はしてないよ」
ローション調合士のイジリー岡田さんとはもう10年来の付き合いだ。
「このホールはダメだ。ほら、すぐに裂けてしまう」
今、一番の問題は後継者不足であるという
畑に着いた詐欺師さん
材料を手に取りガブリ!
「最高の材料だ。良いのが出来るよ。」
仕込みに満足できないとその日の営業をやめてしまうという。
「30年前は何十ものオナホール工場が軒を連ねたこの街だが
今では自分一人になってしまったな。」とどこか寂しそうな笑みを浮かべる。
作業の肯定は真剣勝負そのもの。額に幾つもの汗とローションが纏わり付く。
特に問題は中。
「指を入れて感触を確かめるのに、5年はかかる」と、匠は語る
型に素材を流し込んでゆく。
この時の温度調節で品質はガラリと変わってしまう。 気は抜けない。
そこで編み出されたのがこのでこぼこ
このでこぼこの一つ一つが感覚を刺激し、快楽へと誘ってくれる
でこぼこの配置方法は企業秘密
「自分が気持ちよいのももちろんだけど、使ってくれる人はもっと気持ちよくないといけないね」
「もちろん出来上がった物は一つ一つ私自信で試しています」
「この仕事を始めたばっかの時は何度も親父さんに殴られてたよ。
でもあの厳しい指導があったからこそ今の自分がいるんだと思うんだよ(笑)」
彼はそういって背中ごしにせせら笑った。
初代職人は日本で始めてオナホールを開発した人
そのルーツは意外な所にありました
今日は著名な手淫指南の加藤鷹さんのところに
かねてから依頼されていた製品を納入する日です。
イジリーさんの厳しい目には教えられることも多いとか。
利用者の喜ぶ顔を見ようと、商品を購入した人の後についていき
危うく警察に捕まりそうになったこともしばしば。
ここ数年は、安価な中国製に押されていると言う。
「いや、ボクは続けますよ。待ってる人がいますから───」
下町オナホールの灯火は弱い。だが、まだ輝いている。
「時々ね、わざわざ手紙までくれる人もいるんですよ
またお願いしますって。ちょっと嬉しいですね」
「そして遠くからわざわざ求めてこられるお客さんが何人もいる。
体が続く限り続けようと思っとります」
そう男は淡々と語った。
戦時中は物資が不足し、工場を休むことも度々でした。
「っぱねえ、手ごねだからこその弾力ってあるんです。
機械がいくら進化したってコレだけは真似できないんですよ。」
オナホールひとつにかける時間はかなり長いが、
作業は素早く、素人がとても真似できるようなものではない
1973年、オイルショックで原料の価格が3倍にまではねあがり、
一時は店をたたむことも考えたという
「ただね、こう・・・一人で仕事部屋に篭って徹底的にオナホールと向き合ってると
ピリッと体が引き締まる思いなんです。
やはり、もともと神事に使う道具なのでいい加減なことはできませんしね」
「やっぱりアレですね、たいていの若い人はすぐやめちゃうんですよ。
手でやって方が早いとか、犬がいるからいいとか・・・でもそれを乗り越える奴もたまにいますよ。
ほら、そこにいる森近霖之助君もそう。
そういう奴が、これからのオナホール界を引っ張っていくと思うんですね」
ここ数年中国の工場で大量生産された安価なオナホールに押されていた詐欺師さんは
2年前から、インターネットによるオーダーメイド注文を始めた。
「一度やめようかと思ったこともあるんです。でもね、街中で若者が使っているオナホを見たとき、
あんなんじゃだめだ!俺ならもっといいものを作れるっ!ってやっぱりこの道に戻って
来ちゃったんです(笑)いやでもホントあの青年のお陰ですよ!!」
最近は、手作りの良さが再評価され全国から注文が殺到しているそうだ。
息子は、父親の仕事のことでいじめに遭い、2人とも家出した。
たった1人残った妻(ダッチワイフ)も、2年前に他界した。
「今はもうこいつだけですよ」
どこか寂しげに笑いながら、彼は膝の上の数の子天井が幾ヒダも
付いたオナホールを抱いてみせた。
名前は「トリプルマスタースパーク」凄い射精力にいざなう力を持つこのオナホールは
彼の好きなとあるゲームの中から命名した逸品だと熱く語った。
そして今日は例大祭。奉納の日。
「オヤシロ様が使うものだからね、毎年作ってるけど身が締まる思いですよ」
彼は言う。
「本物・・・本物をね・・・伝えたい」
彼は作業の最中、そう呟いた、その小さな呟きこそ
現代の日本に失われつつあるものではないか
「「そんなことよりオナニーだ」あの言葉には励まされましたねぇ(笑)。
いままで何をクヨクヨしてたんだってね。」
「機械なら早いし簡単なんだけど、やっぱり感触が違うんだよね」
そう言って、オナホールの内側に木べラでヒダを盛っていく。
最近、地元新聞でも取り上げられ、最近は村おこしの一環としてもにわかに注目され始めている。又、近所の子供にも使ってもらおうと、簡易オナホールの無料提供も始めたようだ。
最初はその日にゴミ箱でみつかったオナホールも、今では子供たちからねだられるという。
そして遂にメディアの目に留まる。あの大型番組トゥナイト2だった。
石川次郎「これが職人が作ったオナホールです。」
乱一世「うわーやわらかいですねぇ
    よく伸びるし、吸い付きが違いますね」
監督「やっぱりね、材料が違うんだよ
    あれ入れるとグンとやわらかくなる」
詐欺師「いやー、ここのくぼみには苦労しましたよ、非貫通型ではどうしても精液が
溜まってしまうんです」
そう苦労を語り、彼は2004年度グッドデザイン賞を受賞した。
そして遂にゴム臭さとの決別。
日本のオナホール復活を賭け、伝統の技と最先端の技術が、手を組んだ。
最近では海外のオナニストにも注目されているという。
額に流れる汗と白濁液を拭いながら
「世間にオナホの良さをもっと知って貰い、そして本物に追いつき、追い越せですかね。」

そんな夢を今日も行きつけのバーボンハウスで照らいも無く語る彼の横顔は
正に職人のそれであった。




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